コンテンツへスキップ

鍼灸と粘膜免疫

鍼灸をすることで免疫はあがるのか??について簡単に話をしていきたいと思います。

(文章読むのが苦手な人はこのページの一番最後に要点だけまとめておきますのでどうぞ^^。)

鍼灸と免疫の前に免疫力が上がると風邪などに感染しにくくなるのか??

という疑問に対する答えは『YESではない』です。

これはなぜかというと世間的に言われてる免疫とは全身免疫のことで、感染予防に重要なのは

『粘膜免疫』と唾液と湿潤です。なのでリンパや白血球やマクロファージは体内に入ってから(感染後)の

話なのでそこらが働けば病原菌を攻撃・排出作用が働くため、発熱や鼻水、咳などが出ます。

粘膜を突破されて、体内に入って初めて全身免疫の出番なのです

免疫力も関係ないとは言い切れませんが、第一段階としては鼻や喉の粘膜の状態の方が感染の確率に関与します。

よって全身免疫力を高めても感染しにくくなる!ということはないのです。

笑えば免疫が上がる。という話は聞いたことがあると思います。

確かにその通りでナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性が高くなりますが、これらが働くのは病原体が体内に入った後の全身免疫のことなのです。ウイルス感染における全身免疫は重症化しないための身体の反応と認識していただける方がいいのかもしれません。

ではどうすれば感染しにくくなるでしょうか!?

粘膜免疫のバリア機能上昇です。粘膜免疫で重要な要素は以下の通りです。

❶IgA(分泌型免疫グロブリンA)の適度な量、働き
❷乾燥を防ぐ(粘膜の潤い)
❸粘液線毛輸送機能
❹ストレス対策
❺栄養バランス
❻適度な運動
❼腸内環境
❽睡眠
❾粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue: MALT)

❶ IgAは唾液や消化管、鼻、目なのど全身の粘膜に存在しています。

このIgAが粘膜の表面でウイルスや病原体に取り憑き、倒してくれます。

そうすることで体内にウイルスが入ることを防ぐのです。

よく風邪をひく人は慢性的にストレスにさらされている、あるいはここの機能が弱い、あるいは分泌が少ない可能性があります。

特に慢性的なストレスがない方には背中のツボに直接皮膚にお灸をする(少しやけどの跡が残る程度)と

IgAの分泌を促し引きにくい身体になります。

またIgAとストレスには大きな関わりがあるためそれは❹でお話しします。

❷ 乾燥は完全にウイルスの独壇場です。空気中でも乾燥しているとウイルスはずっと浮いてられます。

逆に湿度が高いと落ちてしまうみたいです。

粘膜が乾燥しているということは分泌液が少ないということになります。そうするとIgAの量も減り、ウイルスに取り憑けなくなり侵入を許しがちになります。

乾燥を防ぐにはまずは、しっかり水分摂取です。水分摂取量が少ないと分泌液自体が減少します。

水分を摂取していく習慣をつけていくことが重要です。

❸ 粘液線毛輸送機能は異物やウイルスを口腔内に輸送し、痰なので排出したり胃で消化しるための移動の過程です。

その輸送機能の方向は ・鼻から口腔へ ・気道から口腔へ です。

この機能をしっかり出すためには乾燥を防ぐことと、しっかりとした水分摂取、プラスαで肺の気がしっかりしていることが重要です^^

❹ 生きていればストレスは無くなりません。これは精神的なストレスに限った話ではなく、

好きじゃない気候(季節)、手術、怪我、激しい運動、痛み・・・・

これらもストレスです。そしてこれらのストレスを受けると身体の反応でIgAの分泌が少なくなったり多くなったりします。

能動ストレスでは分泌量が増加し、受動ストレスでは分泌が低下するようです。

○能動ストレスとは・・・自ら設定した目標のための動作の際に起こるストレス

例)自ら考えた自分に必要な練習、今日中に宿題を終わらすと決めたけどしんどい、など

○受動ストレスとは・・・他人から言われて事を動作する際に起こるストレス

例)冬にアホほど走らされるランメニュー、やれと言われてする勉強など

ストレス対策で大事なのは、ストレスをストレスと感じない身体作りです。

それには❺の栄養❻の運動が必要不可欠になります。また体質改善には鍼灸も有効です!

❺ 栄養に関しては免疫の為の食事(IgAにはタンパク質や乳酸菌が特にいいみたい)というよりも、バランス良く取ることの意識が大事です。現代ではビタミンやミネラルを意識することで自ずとバランスが取れてくると思います。

栄養は食べる食事の内容は❼腸内環境の状態、食べるタイミングは❽睡眠 に関与してきます。

❻ 適度な運動のメリットは

自律神経にメリハリをつけてくれます

良質な睡眠獲得の手助けになります。

腸の働きが良くなります。

肺の気が巡りやすくなります。

適度な運動をすると免疫があがるメカニズムはマイオカインの作用もあるかもしれませんが、基本的には上記のメリットによってもたらされていると考えています。

逆にデメリットは過度の激しめ且つ長めの運動になると、長めのストレスがかかるというのと同義になるためIgAの働きが低下します。しかしその激しめの運動というのは個体差がありますので鵜呑みにはしない方がいいです。

❼ 腸内環境と免疫については皆さんもご存知だと思いますが、腸内細菌が死滅(抗生物質投与などで)するとIgAの分泌量は超絶に激減します。また腸と気道(口腔内)では免疫細胞での迅速な情報共有がなされております。よって腸内での状態はきどう(口腔内)のバリア機能にも大きく関与します。

良い腸内環境はバランスの良い食事と時度な運動が重要です。

❽ 哺乳類は寝ないと回復しません。上の❶〜❼を完璧にしていても睡眠が悪いとバリア機能は減少するし、治りにくい身体になります。しかし、❶〜❼が完璧ならおそらく質の高い睡眠を取れているはずです。

❾粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue: MALT)は上気道ではNALT(扁桃腺等)、腸管ではGALT(パイエル板)となります。NALTやGALTで産生されたIgA 産生前駆細胞は、CMIS を経由して全身の実効組織にホーミングして形質細胞となり、分泌型 IgA を産生する。

以上は粘膜免疫で重要な要素になります。

では鍼灸はこれに効くのか解説していきます。

❶IgA(分泌型免疫グロブリンA)の適度な量、働き
→鍼灸をすることで活性化されるというエビデンスはない。
しかし火傷回復期に高値になることから、お灸(直接灸)をすることによって小さい灸痕(やけど)を残すことでIgAの量を増やし防御機能を上げることができる可能性がある。
❷乾燥を防ぐ(粘膜の潤い)
→東洋医学では気・血・水の不足によって乾燥のタイプが分かれます。
それらに対する鍼灸施術でフォローできます。
(日々の水分の摂取は絶対的に必要です)
❸粘液線毛輸送機能
→東洋医学での肺の気の弱りを鍼灸でフォローすることも可能ですが、大事なのは❷の項目となります。
❹ストレス対策
→ストレス対策と鍼灸は相性がいいと考えます。弱っている臓器、過敏になってる神経等をマイルドにしていくには鍼灸が合っていると考えています。
❺栄養バランス
→この項目に関してはいいバランスで食事を摂っていても胃の調子が悪い。などの場合が鍼灸がすごくいいです。
❻適度な運動
→運動をしていく上での痛みや疲労感を早く抜くために鍼灸は相性がいいです。
❼腸内環境
→基本的には日々の・水分摂取・運動・栄養バランス が重要になってきます。しかし元々便秘気味な方などは鍼灸によって臓器の動きを活発にすると良いです。
❽睡眠
→不眠や中途覚醒に鍼灸は有効的な刺激となります。

なので直接的な粘膜免疫に対して鍼灸が効果的と言うより、粘膜免疫がうまく作用するための重要な要素に対して鍼灸は効果的です。

なので間接的ではありますが粘膜免疫に対して鍼灸は 受ける価値のある施術 だと考えています。